初めてオリジナルグッズを制作する前に知りたい知識と注意点
初めてオリジナルグッズを制作するときは、依頼する会社選びでコストパフォーマンスのみを重要視しがちです。
費用感も重要ですが、失敗やトラブルを避けるためには他のポイントも注意しなくてはなりません。
ここでは上記3つのポイントを中心に、クオリティの高いオリジナルグッズを作るために知っておくべきことをご紹介します。
企業がオリジナルグッズを制作する主な目的は、自社のPRや商品・サービスのブランディングです。
企業としての理念・メッセージを伝えたり、商品・サービスの認知度を上げる手段として、ターゲットの手元に残りやすいオリジナルグッズは有効です。
どんなに魅力的な商品・サービスを開発しても、知名度が低ければ受注には至りません。
まずはノベルティを配布して、長期的かつ繰り返しターゲットの目に触れる形でプロモーションを行うことが大切です。
ノベルティとしてオリジナリティの高いグッズを制作して配れば、SNSなどで口コミが広まりやすく、幅広い層へのPRも期待できます。
初めてオリジナルグッズを作るのであれば、実際に企画やデザインを進める前に知っておくべきことが3つあります。
仕上がりに影響したりトラブルが生じたりするリスクを軽減するためにも、これら3つのポイントが重要です。
この項目では、印刷方法・色合い・法律の観点でオリジナルグッズ制作時に注意すべきことを1つずつ解説していきます。
まず知っておかなくてはならないことは、作りたいオリジナルグッズの量やサイズ、商品によって最適な印刷方法があることです。
同じデザイン・商品でも、大量発注と小ロット発注では最適な印刷方法が異なります。
たとえばオリジナルグッズとしてポストカードを制作する場合、「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の2つの方法から選ぶことができます。
オフセット印刷 | 専用の版を作成して印刷するため、大量発注になるほど単価が安くなる。高品質な仕上がり。 |
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オンデマンド印刷 | 版を作らない印刷方法のため、必要な量のみを安く印刷できる。オフセットほどの品質は期待できない。 |
オンデマンド印刷とオフセット印刷以外にも、オリジナルグッズを作る際に使われる印刷方法は多数あります。
この項目ではそれぞれの印刷方法について、特徴やどのような商品に使用されているのかをご紹介します。
制作するオリジナルグッズにはどの印刷方法が適しているのか、商品作りの参考にしてみてください。
シルクスクリーン印刷は、専用の版を作成して印刷したい部分に被せ、インクを直接刷り込む方法です。
版は1色ずつするため、版を複数組み合わせることで多色刷り・重ね刷りができ、カラフルかつデザイン性の高いオリジナルグッズを制作できます。
使用するインクを変えると幅広い商品に印刷できるため、紙製品の他にバッグなどの生地やCDなど表面がツルツルしたものへの印刷も可能です。
パッド印刷は専用の版(凸版)を作成し、インクを付けた後にシリコンゴム製のパッドへ転写してから印刷する方法です。
やわらかいシリコンゴムの表面にデザインを一度転写することで、凸版のままでは印刷できないような曲線部分にもキレイに印刷できます。
使用するパッドも印刷物に合わせて大小さまざまなサイズ・形状があり、例えばボールペン・シャーペンなど曲線かつ面積の小さな部分への印刷も得意です。
素押しは型押し・エンボス加工とも呼ばれる方法です。
金板で型を作成し、印刷したい部分に熱と圧力を加えて凹凸を作ります。
箔押しは素押しと同様の手法で凹凸を作ると同時に、箔を熱転写する方法で、メタリックかつ高級感のある仕上がりとなります。
平らで熱圧着ができるものに使用できるため紙や革製品の他、木材への加工も可能です。
インクジェット印刷は、印刷機に取り込まれたデータをもとにインクを表面に吹き付けて印刷する方法です。
そのため版を作成する必要はなく、グラデーション印刷もできます。(オンデマンド印刷で使用される印刷機の一部はインクジェット印刷を採用しています)
家庭用プリンターでは紙やCDラベルの印刷程度ですが、業務用の印刷機ではペンやプラスチック製の雑貨、金属など多種多様なグッズに印刷可能です。
フィルムシートに絵柄を印刷し、熱と圧力で商品に転写させる方法です。
版を作成する必要がなく、平らなフィルムシートに先に印刷するため幅広いデザインに対応できます。
バッグやポーチ、靴など布製品の印刷に利用されることが多い印刷方法です。
昇華転写も版を作成せず、専用の熱転写紙へあらかじめ絵柄や文字を印刷し、熱と圧力で転写します。
熱転写はフィルムごと圧着して貼り付けますが、昇華転写はデザインのみを浸透させるため、商品の質感を損なわないメリットがあります。
マグカップなど陶器はもちろん、ポリエステル繊維の布にも印刷できるため、オリジナルマグカップやタオルを制作したいときに最適です。
回転シルク印刷は、シルクスクリーンと同じ原理で円筒状の商品に印刷する方法です。
シルクスクリーンと同じく1色につき1枚の版を作成するため、単色ロゴなど、はっきりとした文字・絵柄を印刷することができます。(複数枚の版で重ね刷りも可能です)
本体を回転させながらインクを刷り込む方法で、プラスチックや金属への印刷もできることから、タンブラーや水筒・ボトルへの印刷に活用されます。
上の印刷方法とも関連しますが、パソコン上でキレイにできたと思ったイラストでも、仕上がったものを見たら思っていたのと違う色合いになっていた、ということがあります。
この原因の1つは、モニターの色と印刷物の色が異なるためです。
モニターの製品ごとの差だけではなく、そもそもモニターの色は「RGB」、印刷物は「CMYK」と色の再現方法が違うことが関係しています。
RGB(モニター) | 光の三原色と呼ばれるRed(赤)・Green(緑)・Blue(青)の3色を組み合わせて色を作る。 |
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CMYK(印刷) | 色料の三原色と呼ばれるCyan(シアン)・Magenta(マゼンタ)・Yellow(イエロー)・黒(K)の4色を組み合わせる。 |
オリジナルグッズを販売・配布する際に知っておきたい法律が「著作権・肖像権」と「景品表示法」です。
「著作権・肖像権」とは、誰かが作ったデザインや誰かの写真を無断で使用してはいけないというものです。
この権利を侵害してしまうと、違法行為として罰せられます。(権利を有する相手が企業ではなく個人であっても同様です)
インターネット上には無料で使用できる「フリー素材」もありますが、商業利用は不可など条件付きの場合も多いため、事前に必ず規約を確認しましょう。
もう一方の「景品表示法」とは、商品を売るための過大なサービスや広告を禁止している法律です。
販促グッズが販売したい商品の価格に対して高額すぎる場合は、景品表示法違反にあたる場合があります。
また、商品のメリットばかりを強調しすぎる「誇大広告」も、景品表示法違反として罰則対象です。
景品表示法について、具体的にどのようなケースが違反になるのかは、消費者庁のページを参考にしてみてください。
(参考:消費者庁「インターネット上の広告表示」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/internet/)
オリジナルグッズを制作するときは、自社に合ったアイテムを選びましょう。
安易に予算や話題性のみで選ぶと、自社イメージと合わず、思うようなPR効果を得られないおそれがあります。
どのようなポイントを意識してオリジナルグッズを制作するべきか、ここでは参考として実際の失敗・成功事例を紹介します。
個性を出そうと張り切った結果、予算と効果が見合わない結果となるのは、ノベルティの代表的な失敗事例ともいえます。
某社がノベルティとして考えたのは、レトルトカレーをオリジナルパッケージで配布するという企画でした。
レトルトなので賞味期限が長く、長期的にターゲットの手元に残るうえ、インパクトがあり注目を集めやすいメリットがあります。
しかし実際に取り組んでみると、パッケージの製作費や印刷費がかかり、費用対効果を得られませんでした。
オリジナルデザインの食品用パッケージを制作するとなると、印刷費のみで高額となります。
配布イベントの規模によっては、ノベルティが100個〜200個程度と小ロットになり、単価が高くなるリスクがあります。
単価を安く抑えるには最低500個以上は制作しなくてはならず、「単価を無視して少量のみ制作する」「単価重視で多めに製作する」の2択となります。
少量の制作では高くつき、単価重視で作れば賞味期限のある在庫が大量に残ってしまうため、いずれも成功とはいい切れず、企画は断念となりました。
過去に弊社にご依頼いただいた、ICO Design & Photo様の成功事例です。
ICO Design & Photo様からは、デザイン事務所の営業用アイテムとして『A4クリアファイル ダブルポケット大』をご依頼いただきました。
全体にうっすらと透ける白地を採用しており、中に書類が入っていることが一目で分かる仕上がりです。
表紙部分には写真を配置しており、ICO Design & Photo様から「色再現がよい」とご満足いただけました。
内部には商談で使用できるチェック表や入稿時のまめ知識を印刷し、クライアントの利便性を高めているのが特徴です。
実用的な仕上がりで、自社の入稿ルールを自然に伝えつつクライアントに発注作業をスムーズに行ってもらえるノベルティとなりました。
ICO Design & Photo様 A4クリアファイル ダブルポケット大のデザインはこちら
オリジナルグッズを制作するとき、ネックとなるのがデザインです。
おしゃれにしたい、自社のカラーをしっかりと反映させたい、と考えるあまり、迷走するケースも珍しくありません。
オリジナルグッズを制作するときは、個性を映えさせるために基本的なテクニックを意識することも大切です。
オリジナルデザインを作成するときは、色数を増やしすぎないようにしましょう。
印刷することを考えると、色数が多いデザインはコストがかかるうえ、色の再現が困難です。
多くの色を使用すると、目立たせたい部分が埋もれやすくなり、伝えたい部分が曖昧となってしまいます。
デザインによっては、ロゴマークを印刷する媒体の色に制限がでてきます。
デザインを考えるときは、テーマカラーを多くても3色程度に抑えることが大切です。
デザインや文字の線の太さ、隙間は、一定以上でなければ反映されません。
印刷時のサイズや印刷媒体によっては、せっかくの線や隙間が潰れるおそれがあります。
文字や線の太さは0.25pt以上が目安です。
絵柄の間に意図的な隙間を設けるときも、同じく細すぎるデザインは避け、しっかりと反映される広さを意識しましょう。
また、色数と同じくフォントの種類や文字のサイズも3種類程度に抑えると、デザインにメリハリが出ます。
色の濃淡や鮮やかさなど、細部にまでこだわりたい方は、「かさまーと」にぜひご相談ください。
明治時代に創業した弊社は、145年以上にわたって印刷のプロとして確かな技術と知識を磨いてきました。
取り扱う商品のバリエーションも豊富で、手触りが個性的なクリアファイルや仕掛けのあるクリアファイルなど、実用性だけではなく「もらって楽しい・嬉しい」オリジナルグッズをお作りします。
何よりも重要なカラーの再現度も、Japan color認証制度取得により高い技術力が保証されていおり、デザイン性を重視している方も安心してご依頼いただけます。
印刷をおこなうクリアファイル本体も、高品質のものを大量購入することでコストを抑えているため、他社に負けない低価格を実現しました。
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